萱島酒造商品の魅力FEATURE

萱島酒造では、お酒の味を形どる五味(甘・酸・辛・苦・渋)が調和した「旨いお酒」を理想とします。

西の関は永い悠久の時間の中で地元に密着した伝統手造り手法を発展的に継承し甘い辛いを超越した日本酒本来の旨さを絶えず追求して参ります。

国東の土地と農業遺産

その昔、古事記に記された12代目天皇の景行天皇が海路で巡航した際に、突出した半島を指し、「あの遠くに見えるのは国の崎(東)か」と、言ったことが、名前の由来になったと伝えられる、国東半島。

‘国のさき’から見渡すのは、清々しく広く青い海。俗世と遮断されたかのような独特のこの地に、静かに伝えられ、根付いてきた信仰心。それは神と仏への祈りであり、自然への崇拝であり、先人たちへの敬いの心でした。

日本人の魂のような美しいこの国東の地で、美味しい郷土の味覚に合う日本の酒、九州型日本酒を萱島酒造は昔も今も変わることなく、造り続けています。

千年を超えた美しい水田を守る農業遺産

黄金色に色づく稲穂が里山一面に輝く頃、田染荘は実りの季節を迎えます。半島の西側に位置する田染郷(現・豊後高田市田染地区)は、六郷の中の一地域。743年の墾田永年私財法の成立で、原野だった地は豊かな水田地帯へ。宇佐神宮の荘園として「本御十八架荘」の最も重要な一つとして数えられていました。狭く小さな土地の地形を工夫、利用したことで、この地ならではの美しい水田が誕生。今も尚、平安時代、鎌倉時代の景観のまま、集落や水田の位置がほとんど変わらずに残されています。

さらに効率的な土地・水利用が実践された「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島の綱井区農林水産循環」が、次世代に継承する伝統的な農業のシステムとして、世界農業遺産に認定されました。自然に寄り添い、あるがままの地を愛し、不便さを創造力で補ってきた国東の農業文化は、人に、地域に、脈々と受け継がれているのです。

酒造りについて

精米・洗米・蒸し・麹・酒母・本仕込み・搾り・唎酒・貯蔵・唎酒・ビン詰・出荷までどれも重要な工程です。
西の関では基本に忠実にひとつの作業・ひとつの工程を正確に、丁寧に、連けいしていくことが長年にわたり変わらない旨い酒を作ることへ繋がると考えています。

年々変化する気候や年ごとに微妙に変わる原料米の性質等、仕込み以外の要因が一定することはありませんが杜氏をはじめとした蔵人全員で積み重ねた経験と勘で克服しています。
お客様に喜んで満足していただける酒造り、そして九州の食文化にかなった旨い酒を将来に向かい作り続けて参ります。

精米・洗米

酒造りの原料米は水稲うるち米です。約450トンの玄米を使用し、約6割が大分県内でとれるいわゆる地米、おもにヒノヒカリ、残りは福岡、広島、兵庫等の酒造好適米、八反錦、山田錦等です。精米によって約70%から35%にまで磨きますが、1200kgを35%まで精米する場合、60時間もの長い時間が必要です。一般に、食卓にご飯として登場する米の精米歩合いは90%ほどだと言われています。

釜場

この工程では米をよく洗って水に浸し、水切りをします。昔ながらの木製の甑(こしき)という大きなセイロを使って蒸しあげます。
蒸す米の量は一釜750kgで、仕込みのピーク時には一日に3トンから4トンの米が蒸しあげられます。

麹室

蒸米に黄麹菌を植えて麹を造ります。麹は酒母、もろみにいれることで米の澱粉を糖化していく役割を果たします。製麹期間2日。蓋麹、箱麹、床麹。

酒母屋

酒母は蒸米、水、麹に酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したものです。日本酒造りには、良い酵母が大量に必要ですから、文字通り「酒の母」といえます。

仕込蔵

日本酒造りの特徴である三段仕込がおこなわれます。一日目は初添え。翌日は仕込みはお休み。酵母はゆっくりと増えていき、これを踊りといいます。三日目に中添えをし、四日目に留添えをして仕込みは終わり、約20日間で搾りをします。

槽場

20日ほどかけて発酵を終えたもろみは、圧搾機で搾られ酒と酒粕に分けられます。(搾り機=槽<ふね>、搾り落ちている口=槽口、搾り始めの白濁した酒=荒走り、搾った酒を採る甕=垂れ甕<たれがめ>)

その後の過程

上槽-おり引き-ろ過-調合-火入れ殺菌-原酒貯蔵-調合ろ過-割り水-火入れ殺菌-瓶詰め、を経て出荷します。